2000年1月27日、渋谷CLUB QUATTROで、11月の松山皮切りにスタートしたHybriDのツアーが最終日を迎えた。

 久しぶりのツアーということで、自分自身は非常に盛り上がっていたのだが、ついにこの日が最終日となった。3ヶ月に渡って一緒に演奏してきたメンバーともこれが最後と思うとちょっと切ない気持ちになる。

 前日が名古屋で本番だったこともあり、当日移動でやや疲れ気味の到着だったのだが、いざキーボードの前に立つと気持ちがキリリと引き締まる。早速サウンドチェックが始まり、続いてリハーサルが行われた。曲目と曲順が変更になった部分があるため、かなり綿密な打ち合わせと確認が繰り返される。

 本番5分前、すっかり準備も整い、はやる気持ちを抑えつつコーヒーを一杯。この緊張感がたまらなく好きだ。そしてスタッフの「ではよろしくお願いします」の声がする。いよいよだ。

 ステージの袖にスタンバイすると、しばらくしてSEが流れはじめる。客席からのざわめきが歓声に変わり緊張感はピークに。そこへ、側にいたスタッフから合図が入り、いよいよステージに上がる。

 Drumのロジャー氏のカウントで1曲目の「DERRINGER」がスタート。次に新曲の「FRY TRAP」、今回のLive用に大幅にアレンジを変えた「fence and Colors」と立て続けに演奏。3曲とも激しいビートの曲で、しょっぱなからテンションは上がりっぱなしだ。

 一息入れて、Bassのkin-tが奏でる16分のフレーズが印象的な「Black Sunrise」。新曲で、GuitarのShojiが格好いいリフを聞かせる「Flower's Flavor」。そして、曲調をガラリと変えて「SKY」。Vocal、MAHIROの伸びのある声が冴えていた。

 それらが終わったところでメンバー紹介。ここまで怒濤のごとく演奏してきたので、気持ち的にはやや落ち着いた感じ。その雰囲気で「太陽が君で、月が僕だから…」を披露。イントロのストリングス、曲中のピアノやブラスなど、キーボードがかなりフューチャーされていて、やりがいのある曲だ。続いて「Bad Times」。これもピアノのソロがあり、とても気持ちの良い曲だ。そのあと、オルガンをガンガン弾きまくる「ISLAND CLASSIC」を演奏。鍵盤を弾く手にも力が入る。

 さて、ここからはハイテンション・ゾーン。タテノリが心地よい「Sepian」、ハイスピードのリフが続く「ROCKET MAN」、勢いのあるブラスのフレーズが印象的な「That's Brain Hit!」と次々に演奏する。まさにテンションは頂点に達し、袖口から汗が滝のように滴り落ちてくるほど自分も興奮しているのがわかる。そして本編終了。

 アンコールは、今までの激しさと対照的にアコースティックな雰囲気。まず、ついさっき演ったばかりの「Sepian」。続いて、サビのメロディーがキャッチーでポップな曲「BRAND-NEW LOVE」を。心地よい疲労感と、優しい余韻でLiveは終了した。

 今回のツアーは、風邪でメンバーが倒れたり、雪でLiveが中止になったりなど、いろいろなトラブルがあったが、そういうトラブルを乗り越えてきたからこそ、最後の渋谷QUATTROでのLiveが終わったときに何とも言えない達成感と満足感があったように思う。打ち上げのお酒がとても美味しかった・・・。



 (文:中尾昌
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